RSS|archives|admin

機能の美

2006.05.31 Wed
20060531-sakata_5.jpg
「山居倉庫は裏から入れ」と酒田の方から教わった。表側と裏側の表情の違いをつくりだしてしまったのは、観光地ゆえの宿命といえるが、せっかくの風情を台なしにしてしまっているのは、それだけ街づくりというものが、むずかしいということを物語っている。それさえ、目をつむれば、力づよく独創的な機能美が展開していくのだ。それは山居倉庫という建築形態だけにとどまらず、ランドスケープにまでも影響を及ぼしている。同じ明治期に造られたレンガ倉庫とは似て否なるものだ。屋根からの伝導熱を防ぐ二重の屋根は、建物に鋭い陰影を与え、タールの塗られた壁は独特の表情を生み出している。強風を防ぐための巨大なケヤキ並木は、空間に潤いをもたらす。これらの要素ひとつひとつが、“街を歩くひと”の為に造られたものではなく、米穀の取引と付属倉庫として考案されたフォルムなのだ。機能と装飾に一切の無駄がない空間(場)に遭遇すると、果してエアーコンディショニングとは、建築家に自由を与えたのだろうかと考えてしまうのだ。

Category:architecture | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |