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奥之院へ

2006.09.27 Wed
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空海は、死んだ。
しかし死んだのではなく入定したのだという事実もしくは思想が、高野山にはある。この事実は千余年このかた継承されてきて、こんにちもなお高野山の奥之院の廟所の下の石室において定にあることを続け、黙然とすわっていると信ぜられているし、すくなくとも表面立ってこれを否定する空気は、二十世紀になっても、高野山にはない(「空海の風景」)
思わぬかたちで始まってしまった“空海をめぐる旅”は、いよいよクライマックスを迎える。一ノ橋を渡り,空海入定留身の地「御廟」までは距離にして1km 弱、老杉や桧が茂る中に20万基を超える墓や供養塔がならぶ。それらの墓石には時間の流れがありありと刻み込まれているのだが、奥の院はそこだけ時間が止まったような雰囲気なのである。老樹からこもれ陽がやわらかく空気に肌触りがあって高野山の中にあって明らかに特別な空間(場)であることがはっきりとわかった。「御廟」に到達するまでの間に“空海入定”に対する想像力は、目の前の風景によって現実になっていくような気分になっていた。灯籠堂を廻ると「御廟」はある。“ご入定”を実感するには十分過ぎるほどに現在進行形の「空海の風景」があった。

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